放射能対策

はかる、知る。郡山 市民除染体験レポート

20141224

 郡山に「行健(こうけん)除染ネット」さんという、市民ボランティアで除染活動を行っておられる方々がいらっしゃいます。(当記事の最後に、紹介文を引用させていただいております。ぜひそちらもご覧ください。)

 「ここで子ども達が暮らしている限り、被ばく量・環境中の線量はできるだけ下げたい」という切実な思いで、原発事故後の6月から活動を始められたと行健除染ネットさん。
 事故後当初は高圧洗浄機を使いガンガン除染作業をしてきたとか。
 しかしそれからだんだん放射性物質は定着し、今はクエン酸と天然の界面活性剤を使う新しい手法でやっている様子をメンバーさんからお聞きし、「私(こどみら石丸)もぜひ体験学習させていただきたい」ということで郡山に2014年12月初旬に行ってまいりました。

 行健除染ネットさんは、あくまで住民主体の取り組みであり、実際に暮らす場所の除染を、そこに住む方と一緒に行うのですから入念です。

 実際に、体験してまいりましたので、画像を交えてその実際をお伝えいたします。


行健除染ネットの車。どーんと貼られたステッカーが目立ちます。


元は納豆屋さんのお車。今は除染カー。


現場について、道具を出し準備。

 現場について、道具を取り出し準備。
 N95マスクとゴーグル、という出で立ちでかなりの防護スタイルです。

 事前に線量をあらかじめ測定してあった除染予定場所へ直行。
 まずは、その場所の大まかな汚染物質を金ブラシやほうきなどで取り除きます。


掃除の様子を見て研修中の石丸


腰を入れて、ゴシゴシ取り除き、ちりとりへ。

 大まかな汚染物質を取り去った後、今度は、クエン酸と界面活性剤を混ぜてある溶液をよく泡立て、それを除染作業箇所にかけてゆきます。

 ちなみに今、中心的に使っておられるクエン酸によるキレート効果と界面活性剤(ムクロジ由来)で浮かせて取る除染法は、京都精華大学の山田先生から基礎を学び、それを現場でどんどん改良しながら今の形を作り上げてこられた、ということ。

 現場での地道な取り組みの積み上げに頭が下がります。


クエン酸と界面活性剤の溶液をバケツに。


泡立て中


泡を除染箇所へ振りかけ中


泡を除染箇所へ更に振りかけ中

こんな感じで、泡を広げました。


泡の上から、金ブラシでゴシゴシゴシ!


ゴシゴシ後、乾湿両用掃除機で吸い込み開始。


吸い込む、吸い込む。


かなり吸い込んできました。


一度掃除機の蓋を開けて、汚染物質をビニールへ移して空に。

線量測定を実施。測定前後の数値を比較。

 クエン酸除染の方法では、水を吸い込める「乾湿両用掃除機」が重要な役目を果たします。
 ホームセンター等で1万円弱から扱っているそう。
 ちなみに、行健さんのものは数万の代物だとか。

 「購入費用はどちらから?」と尋ねると、「趣味にはお金をかけるんです」というお答え。
 「除染」を「趣味」と言いながら、地道に被曝低減対策をしておられる頭の下がる方々です。
 除染中は、お笑い漫才のようなノリで、終始笑いの絶えない面白い方々でもあります。


 次にまた、もう一箇所の場所へ移動し、同様の作業へ。


マンホールのところが線量が非常に高かったので、蓋を開けて対策。


今度は、ワックス掛けなどに使う道具の研修。


やってみると結構難しい。。体が持っていかれそうになります。


乾湿両用掃除機で吸い込みます


中の汚染物質を取り出し、隔離していきます。

 この日は二箇所の除染を行い、それだけで数時間かかりました。
 実に地道な作業です。

 しかし、この作業を、あちこちで、それぞれの方々が自分の足元で行ってゆけば、一気に綺麗になっていく、とは行健除染ネットの鈴木さんと村上さんの談。

 除染先を後にして、行健除染ネットさんの場に帰り、道具の洗浄を行いました。



 最後はけっこう暗くなるまで、道具の一つ一つを高圧洗浄機で洗い、放射性物質を落として作業完了。

 地道で丁寧な除染の力を体感する機会でした。
 行健除染ネットの皆様、ありがとうございました。
 またこれからも、連携させていただきながら、こどもみらい測定所としても更に様々な放射能対策活動を行ってまいりたいと思います。

 今回の除染に関する行健除染ネットさんの記事はこちらです。

 尚、写真は全て行健除染ネットさんからご提供いただきました。ありがとうございました。

 文責:石丸偉丈(こどもみらい測定所 代表)

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最後に、行健除染ネットさんの紹介文を引用させていただきます。
原文は以下のPDFに。
http://josen-plaza.env.go.jp/volunteer/pdf/detail_kouken.pdf

(以下、引用)
私たちは、福島県郡山市で除染ボランティア活動を やっています。行健(こうけん)除染ネットワークという 名前の頭の二文字は、「天行健、君子以自彊不息 [天行は健なり、君子は以て自ら彊めて息(や)まず]」からいただきました。「違うことのない天行のごとく、君子は自ら努め励み、怠ることはない」の意です。
2011(平成23)年3月15日午後、東京電力福島第一原子力発電所の爆発によってぶちまけられた放射性物質が、みぞれとともに郡山市内に降ってきました。 外出を控えること、外出時にはマスクをすること、窓を開けないこと、換気扇やエアコンを使用しないこと、そんな注意が市から発せられ、市内の小中学校は休校したまま春休みに入りました。そして4月例年より一週間遅れで新学期が始まることになり、始業式前日に私たちPTA役員(当時)が行健小学校の校長室に集められました。 役員の多くが楽観的な見解を述べる中、校長先生(当時)が「東京電力の原発に今度何かあったら、市は子どもたちだけを避難させる準備を進めている」と 話し、場の雰囲気は一変しました。
新学期が始まった直後から、校長先生は自ら放射線 量をはかり、洗ったり土をはいだりして、放射線量の下がることを確認していました。そして、「何もしなかった春休みの期間がくやしい。あのときから、こうやっておけば、もっと下がっていたのに」とおっしゃっていました。 私たちが除染を始めたきっかけは、このときの校長先 生の素晴らしい行動力と言葉を目の当たりにして、自分たちも一緒にやりたい、役に立ちたいと思ったからです。 PTA役員の中には反対の意見もありました。そこで、 自分たちで放射線量を下げることができるのであればやりたいと考える私たち役員有志と先生方で校内の除染活動を進めました。 一方、PTA役員会で決めていた学区内放射線量マップの全家庭への配布は、夏休み直前になっても、何もしていませんでした。 そのため、これも私たち役員有志と仲間が、個人として制作し、WEBで公開したり配布を行いました。 これが、行健除染ネットワークとしての始まりでした。 このときから、PTAでは手つかずでいた学校の外の放射線対策にも乗り出しました。 公道で行なった鼓笛隊パレードには、散水車を出し て散水し、放射性物質の舞い上がりを防ぎました。 トラックの荷台にエンジン式の高圧洗浄機とタンクを 積んで、通学路除染も始めました。

私たちはボランティアですが、業務として行なう者が 必要な教育も受けました。 この経過の中で、行健小学校以外の学校や町内会 の除染活動にも協力をするようになりました。 そして現在は、山田國廣先生(京都精華大学教授) の指導をいただき、高圧洗浄機を使わず、身近で安価な道具を用いて、誰でもできる、放射性物質を周りに散らさずに取る、安全に保管する(仮置き場が要ら ない)方法で除染を行なっています。
ダイジョウブだとか、行政のシゴトだとか、やっても変 わらないとか、そんな話に私たちは参加するつもりはありません。 できない理由をどんなに挙げられようと、子どもの被 曝を仕方ないとは思わないからです。 今は、継続することと発信し続けることが大切だと思っています。
除染活動を続けている動機は、子どもにとって毒の可能性があるなら、ほったらかしにしていいはずがないこと。 行政がやってくれないと言っている間にも、子どもたち が被曝し続けていること。 やれば下がること、やって下がらない場合は、もっと工夫をしてやればいいこと。 みんなが自分の家の前だけでもやれば、通学路のほとんどの除染ができてしまう、通学路除染はそんな簡単にできること。 ふつうに暮らしていれば、子どもは大人になっていくものと思っていたものが、東京電力の原発事故以降は、それがわからないこと。だから、できない理由を挙げ連ねるより、できる方法 を考えるべきであること。 そして、子の親としてやらない理由はないこと。
現在ここに住む人たちの考え方はそれぞれですが、何も気にしていない人は、ほとんどいないと思います。 そうはいっても、放射能汚染という言葉をお互いに口にするのを、はばかる雰囲気もあります。 ここに住んでいることでのストレスは続いています。東京電力の原発事故から二年八か月経ちましたが、 行政の除染は遅々として進みません。でも前述のとおり、市民がそれぞれ自分の家の前を洗えば、あっという間に通学路除染は進みます。 子どもたちのため、少しでも地域をきれいにするために、手をこまねいては、いられません。やる方法はいくらでもあります。 私たちの除染活動は、子どものためにやりたいと考える人たちの自主的な参加で成り立っています。

放射能対策

2014年12月24日 15:54:26