測定レポート福島

はかる、知る。郡山 子どもたちとの計測ワークショップ

20150305

2014年9月、郡山にて行われた「オーガニックフェスタ」において、子どもたち向けの放射線量計測ワークショップを開催いたしました。

ホットスポットファインダーを持参し、子どもたちとともに身近な場所の線量を測定し、どのような場所が線量が高いのか、気をつけたほうがいいのかを測定して回るという企画でした。

「子どもたちに線量が高い場所の測定などを行わせていいのか」というお叱りを受けることもあるのですが、実際、すでに原発事故によって各地に放射性物質が降下してしまい、特にマイクロホットスポットを形成し、放射線管理区域以上の数値などを示すような場所が点在する現状では、やはり測定によって実際の状況を知り、気をつける必要があります。
漠然と測らずにいるよりは、測って実際に自分たちの目で確かめることが大事だと考えます。

また更に、「そんなことをさせているのであれば、避難させろ」というお叱りもあるかもしれません。
しかし残念ながら、人様の人生に何かを強制することも、私たちが先の保障をすることもできません。
また、測ってみないことには、実際の線量もわかりません。

現在のように広範囲に、時に高濃度に、あってはならない放射性物質が拡散された状況は全く問題ですし、
原子力発電事故はあってはならない大公害を生み出しています。
その苦しい状況下で、できることといえば、私たちのような測定所では、非常に微力なのですが、測定し、葛藤を共有し、情報を伝達し、少しでもそれらのことが現実判断のために役立つことを願うばかりです。


実際に、生きている子どもたちには、実際的なケアやサポートが必要です。
そして今回、子どもたちと測って歩くことは、大変意味のあることだと実感を深めたものでした。


子どもたちにホットスポットファインダーでの計測について説明する当所代表の石丸


「ホットスポットファインダーを持って子どもたちと計測」

まず、高性能な空間線量計ホットスポットファインダーでの計測方法について、子どもたちに伝えました。
子どもたちは興味深く聞き、「僕が持ちたい!」「次は僕!」と、大人気。

最初の順番の子から、ホットスポットファインダーを首から下げ、
道路や駐車場、草地など、あちこちを歩いて回りました。

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駐車場の隅に行くと、線量が上がります。0.23μSv/hから測定数値が赤くなるのですが、赤い数字が0.5,0.6,0.7μSv/hと上昇していきます。
「あ!そこは気をつけて。こういう端っこに土ほこりが固まっているようなところはあんまり近寄っちゃだめだよ。放射能が溜まってることが多いからね。」と石丸。(「放射性物質」という言葉は長いので、子どもたちもよく知るところとなってしまった「放射能」という言葉を使っています。)

ホットスポットファインダーは、1秒ごとに測定値が更新され、リアルタイムに正確な線量がわかる測定器です。
子どもたちが持って測り歩くと「あ、ここ上がる!」とか、「ここら辺は低いね」と、線量がキビキビわかるので、どのようなところが高いか低いかの傾向がよくわかる有意義な時間となりました。
そして、その後も、順々に子どもたちは測定役を交代し、あちこちを測って回り、同様のワークショップをその日はもう一度行いました。


かわりばんこにホットスポットファインダーを持って計測をする子どもたち


ひとしきり周辺を測って周り、最後に、駐車場横の木の根元を測ったら、
なんと2μSv/hを超えるマイクロホットスポットであり、驚いて「ああ!そこは近寄らないで!」と伝えました。

一般に、木の根元は、放射性物質が降下した2011年の3月の雨や雪の影響で、周囲より幾分数値が高くなる傾向がありますが、それにしても高すぎます。
不思議だと思っていると、子どもたちのお父さんのお一人が、「雪かきで木の根元に雪を集めるから、一緒に汚染された土もそこに集まってしまったのかもしれませんね」とのこと。

さすがに地元の方ですから、「なるほど」な見解でした。
確かにそうかもしれません。明らかに、木の根元だけがかなり高く、すぐ近くの駐車場の雪をかき集めて集積したと考えると辻褄が合います。

子どもたちとも「なるほどね〜。こうやって集まっちゃうこともあるんだね。気をつけようね」と勉強になりました。

事故後の世界を生きることになってしまいましたので、このようなことが必要になってしまったことを複雑に思いながら、「またこのような機会を増やしたほうが良い」と思わされた機会でした。

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子どもたちは、子どもの権利条約などを引用するまでもなく、遊ぶ権利が保障されるのが本来です。
しかし、残念ながら、このように線量が上昇した地域では、遊ぶ環境中で気をつけなくてはならないことも増えてしまいました。

ただ、外遊びなどの大事さはありますから、対策できることは対策し、子どもたちの遊び、自然体験などはもっと保障されるよう、私たち大人が努力していく必要があります。

例えば郡山では、行健除染ネットさんのように、民間で、子供達の被曝を減らそうと除染活動をしておられる方々がいます。(活動に参加させていただいた記事はこちら
また、「3a」さんや、「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト」さんのように、各種放射能対策活動を継続しておられる会もあります。

また、この測定ワークショップの際には、ふくしま30年プロジェクトさんと一緒に、子どもたちの放射能学習会も開催しました。

福島県内の地元で活動する放射能対策を行っている方々とも連携しながら、
こどもみらい測定所としても、今後とも地道に対策活動を行ってまいります。

今後ともよろしくお願いいたします。

  文責:こどもみらい測定所代表 石丸

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2015年03月05日 17:01:15