測定レポート福島

はかる、知る、郡山レポート 4月22日―(1)

20140623

4月22日、私たちは再び郡山市を訪れました。前回の訪問から約5か月。前回も同行してくださった、郡山市在住の宮坂さん(仮名)は「雪が降り、溶けたあとの放射性物質はどうなっているのか、流れて減るのか、それとも、流れてきて増えるのか、知りたい」と、今回も、測定に立ち会ってくださいました。

再び郡山市へ

今回、伺ったメンバーは、ADRA JAPANの担当、小出一博さん、こどもみらい測定所の、代表石丸偉丈と、服部夏生、そして、レポーターとして伊藤が郡山市に伺いました。

郡山に到着すると、前回も同行してくださった宮坂さんと、今回はもうひとり、フクシマンマサさん(http://ameblo.jp/masa219koro/)が待っていてくださいました。
フクシマンマサさんは、ご存知の方も多いと思いますが、厚労省のデータ(福島県のもの)をはじめ、貴重な情報をまとめて、メールマガジンで配信されてくださっています。
また、今回の測定を撮影・編集し、動画配信してくださいました。(http://youtu.be/EzZTOZAt3vQ )

この日、宮坂さんは、電子式の積算線量計を持ってきてくれました。現在、郡山市では希望者に貸出をしているそうです。
http://www.city.koriyama.fukushima.jp/186000/shinsai/senryoke.html




幼稚園の目の前で



表面から15cmのあたりで、1.3μSv/h


線量を上げている堆積物

最初に向かったのは、喜久田スポーツ広場。

ここには、2011年11月に行われた「市のクリーンアップ作戦」(一般住民による道路などの除染)で集まった落ち葉やごみなどを、土嚢袋に入れ、埋めた場所です。当時はまだ「除染」のガイドラインもなく、周辺住民へ「埋める」という説明もなかったそうです。「もしかしたら線量が高いのではないか」という宮坂さんの心配もあり、測定してみることになりました。

駐車場に車を停め、野球場まで歩きながら測定します。

駐車場のすぐ近くには、喜久田幼稚園があります。ゆるやかな坂道の下ったところに、砂状の堆積物がありました。その表面から15cmのあたりで、1.3μSv/h。

雨水などが流れて溜まる場所なのでしょう。線量を上げている線源(ここの場合は堆積物・以下の写真)から一歩離れれば空間線量は下がるのですが、小さな子どもは、座ったり触ったりする可能性もあります。

この堆積物を採取して、持ち帰り、測定をしました。その結果、9万5千ベクレル/kgという結果になりました。




電信柱の根本で1.7μSv/h

園庭は除染が行われていて、園の入口付近にあるモニタリングポストに表示された線量は0.2μSv/h台。一歩外に出ると、このように、マイクロホットスポットが点在しています。
坂を上ったところにある交差点の電信柱の根本でも、1.7μSv/hというポイントがありました。

このようなマイクロホットスポットは、ホットスポットファインダー(以下:HSF)等のような反応度の早い測定器で測定しない限り、見つけにくいものです。

◆野球場のまわりを測る



坂道をのぼり、クリーンアップ作戦の落ち葉や土などを埋めた野球場に向かいます。鍵がかかっているため、中には入れませんでしたが、グラウンドの周辺の線量は0.2〜0.3μSv/h。

 植え込みの土も採取し、持ち帰って測定したところ、8千7百ベクレル/kgという数値がでています。



グラウンドを囲むように設置された植え込みのブロックの上や、植え込みの土の部分では0.5〜0.7μSv/hありました。座るにはちょうどいい高さのブロック。「ここに座ってお弁当を食べたり、試合を観戦したりする可能性はあるよね」と、宮坂さんは心配します。



◆藤田川沿いを測る


さらに少し歩きます。
藤田川沿いの桜が満開でした。


土手を降りた川のすぐそばは0.3〜0.6μSv/hの数値でしたが、土手の上の砂利道では0.7〜1μSv/hと、少し高めの数値が続きました。

これは、福島市の阿武隈川を測定したときとは、逆の結果です(以下の二図参照)。

藤田川(郡山市)沿い



阿武隈川(福島市)沿い



福島市の阿武隈川沿いの土手は、土手を降りる斜面の放射線量が1μSv/h程度の数値を示し、土手の上と下は0.3〜0.6μSv/hを示していたのです。

同じ「川沿い」だからといって、放射線量が高い場所の見当がつく、というわけではないということがわかります。また、たとえ同じ川であっても、場所によっては違う可能性もあります。丁寧に測定していくしかないことを実感します。

さらに先を行くと、宮坂さん曰く、「屋台が出て、レジャーシートを広げてお花見をする場所」につきました。とあるベンチの横を測ると、地表15cmで2.4μSv/hありました。


地表15cmで2.4μSv/h


地表15cmで3.3μSv/hのところも


見ただけでは、線量が高いことには気が付きません。ここに座ってお花見をする人もいるかもしれません。
ほんの少し移動すると、地表15cmで3.3μSv/hのところもありました。

 この3μSv/hの部分の土も持ち帰って測定したところ、7万4千ベクレル/kg(図3)という結果になりました。


3μSv/hという数字に、私が驚いていると、
「事故直後には、2.4μSv/hも、3.3μSv/hもいたるところにあったから、『下がったな』というのが郡山市民の感覚なんです。みんな、数10μSv/hを見ているんです・・・」
と、宮坂さんは言いました。

◆小学校の周りを歩く





 再び駐車場に戻り、近くの小学校の周辺をぐるりと歩いてみることにしました。通学路にもなっている道路です。
 東側の道路は、ずっと0.2μSv/h台だったのですが、西に向かったT字路の角で、数値があがり、0.8μSv/hまで上がりました。下校中の子どもたちが向こうから歩いてきます。
測定中に子どもに会うたびに、胸が痛みます。住む地域によって、被ばく量が違う、という理不尽さを、子どもたちに背負わせていいのだろうか、という思いがよぎります。そんなことを考えながら、申し訳なさで下を向いている私に、「こんにちはー」とあいさつをして、子どもたちは通り過ぎていきました。

 さらに進むと、校舎の裏側は、0.5μSv/h以上の数字が並びます。排水溝の真上で、1.4μSv/hの場所もありました。学校の周辺です。

 このあたりの道路には、ひとつ特徴がありました。縁石の外側(道路側)の堆積物は、線量が高いという傾向です。写真のような場所が地表15cmで1μSv/hのとき、縁石を挟んだ内側(歩道側)は0.3~0.5μSv/hと、二分の一以下の数値である場所が多くみられました。

 もしかしたら、子どもたちが通るということで、大人たちの手で、歩道は除染がされていたのかもしれません。
近くの幼稚園の外壁には、高圧洗浄機をかけた痕もありました。

――郡山レポート4月22日(2)に続く

(文責:吉田千亜)

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2014年06月23日 19:45:01