測定レポート東京

みんなで測ろうプロジェクト 〜渋谷・原宿+井の頭公園 前編〜

20131202

「みんなで測ろうプロジェクト」の第2回目は、渋谷・原宿と井の頭公園を歩いて計測しました。

「これからの日本を担う『若い女性たち』が集うところの線量を測ってみたら」というご意見を受けて、女の子たちが遊びに行きそうだな、と思うところをセレクトしました。

 今回も、全体的に0.02〜0.1μSv/hくらい、高めのスポットで0.1~0.18μSv/h程度の空間線量でした。

花崗岩などが出す自然放射線によって高めの数値が出ているとおぼしきスポットが多く見受けられた一方で、福島第一原発由来と考えられるセシウムも未だ存在していることも確かめられました。

 2回に分けてお送りいたします。

女子高生の一日


 ホットスポットファインダー(HSF)を活用した「みんなで測ろうプロジェクト」。第2回目は渋谷、原宿を歩いて測ることにしました。

 これからの日本を担う「若い女性たち」が集うところの線量を測ってみたら、というご意見を受けて、女の子たちが遊びに行きそうだな、と思うところをセレクトしました。ついでに、と言ってはなんですが、これまた若者の多い印象のある吉祥寺の「井の頭公園」も、さっと計測することにしました。

 せっかくだから、ということで「女子高生の一日」と題して、架空の女子高生になりきって、若者の街を歩き回ることにしました。

 とは言え、こどもみらい測定所のメンバーは若者文化に大変うとい。ので、募集をかけた際に「『ここらへんとかいけてるんじゃない?』とか『あっちのほうが若者が多いよ』などと歩きながら女子高生になりきって提案していただければ幸いです(もちろん、女子高生の方の参加は大歓迎いたします)」という一文を入れておきました。その効果もあってかどうか、男性2名、女性2名にご参加いただき、初回とはまるで違った明るい気分で計測にのぞみました。

井の頭公園


まずは井の頭公園を測ります。ご一緒してくれたのはよしむらしゅういちさん


石畳の上。0.095μSv/h


土と落ち葉の上。0.052μSv/h。「石畳の素材の花崗岩は自然放射線を出しているため、この差が出るのでは」とイシマル氏


別の場所。イシマル氏が指差す部分のスペクトルが反応しています。「線量は低めですが、人工放射線のセシウムが検出されていますね」

 最初の測定場所は、井の頭公園。ここを一緒に測っていただくのは、よしむらしゅういちさん。

お子さんたちが通う学校にはたらきかけて、校庭の土を一部入れ替えてもらったほか、空間も測定するなど、放射能と向かい合ってきているお父さんです。自身の経験もあるため、「反応が早いので、歩きながら測定できるのがいい。使いやすいですね」とHSFの高性能っぷりに反応します。

 園内の池の周辺を中心に回りました。まずは、前回の夢の島公園と同じように、同じ場所の石畳の遊歩道の上と、土の上を計測します(注:この測定も、地上約10cmで計測をいたしました)。今回は石畳の上が0.095μSv/hで、土の上が0.052μSv/h。前回と逆に、遊歩道の方が線量が高くなりました。

「石畳の素材に含まれる花崗岩は自然放射線を出しているため、この差が出るのだと思います」
 とその理由を分析するイシマル氏。

自然放射線と人工放射線の違いはタブレット画面で表示されるスペクトルのピークを見ればおおむねわかるそう。

少し移動した「0.039μSv/h」という数値が出た場所でも、

「線量は低めですが、人工放射線のセシウムが検出されている」とスペクトルを見て説明。

福島第一原発由来と言えるセシウム134も含めた放射性セシウムのピークがあり、都内に降下したまま残っているのは事実のようです。

 よしむらさんは、一般的にマイクロホットスポットが存在する場所も熟知していて、「こけのある場所」「滑り台の下」などの計測も提案してくれました。

今回は、それぞれ0.04μSv/h程度。高校生カップルがベンチで語らう池や小川沿い、植え込みなども計測して、公園全体でだいたい0.03〜0.1μSv/hくらいでした。


比較的高い線量が出ることがある滑り台の下やブランコの下も測定。いずれも0.04μSv/h程度


斜面にあるこけ等も測ります。井の頭公園。池の周りを中心にまわっての線量はだいたい0.03〜0.1μSv/hでした


井の頭公園の空間線量マップ

渋谷

 よしむらさんとお別れして、一路、井の頭線で渋谷に。

ハチ公前に着くと、合流予定の衛藤さんと大場さんは既に到着されていました。挨拶もそこそこに、HSFの電源を入れて、早速センター街へと入って行きます。

 まさに「女子高生の休日」の態となっていますが、センター街を歩くこと自体久しぶり(確か1年くらい前にクアトロに行った)のぼく。

とりあえず、側溝を計測してもらいましたが(0.07μSv/h前後でした)、そもそもセンター街がどこまで続いているのかも知らないていたらく。が、横を歩く衛藤さんの姿を見ると、センター街にもすんなりとなじんでいる様子。この人がいれば迷子にはならなさそうです。

 実は衛藤さん、自らもHSF を購入し、郡山市を拠点に活動する市民団体に貸与して、福島の空間線量を測ってもらうというプロジェクトを進めている方。

今日は、イシマル氏と一緒に測定の実際を経験したい、という思いで参加していただいたそう。熱い九州男児です。

「あ、こういう目立たない隅っこを測ってみませんか?」

 そんな衛藤さんの提案で、Bunkamura 近くの路肩を計測すると、0.1μSv/h前後の線量。ほこりのたまりやすい「吹きだまり」は、周りに比べてやや高い線量となることが多いようです。実際、この後スペイン坂などを回り「渋谷はおおむね0.04〜0.1μSv/h。平均は0.05μSv/hくらいという印象(イシマル氏)」でした。

 ふたりの熱心な参加者がいて、ホスピタリティの塊、イシマル氏の説明にも力が入ります。百貨店のエントランス付近の石畳の上にHSFをかざすと、0.1μSv/h前後に数値が上がるのをふたりに見せて、

「自然放射線と人工放射線(セシウム)の違いがHSFのスペクトルが表示される部分を見ることでだいたい判ります。渋谷周辺で0.1μSv/hを越えるようなところは、自然放射線を出す花崗岩含有率が高めのケースが多いようです。人工放射性核種も都内には残っていいるので、気になる場合は、帰宅したときに、靴底を洗うといいと思います。このぐらいの線量であればそこまで気にする必要はないかもしれませんが。」
 と説明をします。

その言葉をメモしている大場さんは、ふだんよく来る渋谷、原宿地域の空間線量が気になって参加していただきました。実家住まいで、お母様が食べ物や飲み物は産地などに注意をはらって作ってくれているのだそう。

「ちなみにどこらへんに女子高生っているんですか?」
 
というぼくのぶしつけな質問にも

「109とかパルコですかねえ。私はあまり行かないのですが」

 と応えてくれるやさしい女性です。(後編に続く http://kodomira.com/HSF/report/entry-11346.html )


ハチ公前でここからご一緒してくれる方々と合流。左は衛藤さん。右は大場さん


ここからまさに「女子高生の休日」の態で歩き回ります。まずはセンター街へ。


早速、側溝を測定。0.07μSv/h前後。


11 Bunkamura近くの路肩を計測。0.1μSv/h前後


スペイン坂も計測。渋谷はおおむね0.04〜0.1μSv/h


「自然放射性核種と人工放射性核種(セシウム)の違いがHSFのスペクトルが表示される部分を見ることでかなり判ります。渋谷周辺で0.1μSv/hを越えるようなところは、天然の放射線を出す花崗岩を多く含む場合が多いようです」(イシマル氏)


渋谷駅周辺、空間線量マップ(GPSは高いビルなどで位置情報を誤認識することが多く、このマップも、建物の上などにマーカーが位置するなど、おかしい面があります。ご了承下さい。)

写真によるダイジェストレポートは、ツイッター @HSF_kodomira でも掲載しています。

文:服部夏生(常緑編集室・こどもみらい測定所)

後編はこちら

測定レポート東京 < 測定レポート

2013年12月02日 21:13:00

タグ
ホットスポットファインダーreport

関連ページ