測定レポート東京

はかる、知る。青梅

20150331

今回は、春に開催される、福島県在住の子どもたちのリフレッシュ合宿「キッズウィークエンド 青梅コース」の宿泊地となる、青梅市の古刹周辺の計測にお伺いしました。また、今までの計測をふまえての、三多摩地区を中心とした地域の「いま」を説明する会も、同地で開催していただきました。

 文・写真:服部夏生(常緑編集室/こどもみらい測定所)



青梅で定期的にリフレッシュ合宿を開催

 今回、案内していただいたのは、「青梅ブンブンの会」の方々。同会は、2012年から、福島県在住の子どもたちのリフレッシュ合宿を定期的に開催してきています。

 空間線量や土壌の放射線量などを計測させていただいた場所は「聞修院(もんしゅういん)」周辺。この古刹は、代々木公園で開催されるアースデイ東京2015 のイベントのひとつとして4月17日から19日にかけて行なわれる「キッズウィークエンド 青梅コース」の宿泊先となります。子どもたちが滞在する場所の放射線量を「見える化」したいというご希望もあり、今回、会と聞修院の方々が、私たちの測定に協力してくださいました。


案内をしていただいた「青梅ブンブンの会」の星匠さん(中)と佐藤昌紀さん


茅葺き屋根や丁寧に手入れされた庭が美しい聞修院周辺を計測していきました

子どもたちが宿泊する場所を中心に計測

 測定にお伺いしたのは、2015年3月1日。いつものように、ホットスポットファインダー(HSF)を使い、地表から約10㎝の高さで空間線量を計測しました。

 聞修院の境内から、子どもたちに散策を楽しんでもらう予定のお寺周辺を歩いて回りました。

 全体的には、0.04〜0.09μSv/h程度。平均では0.06〜0.07μSv/hという印象です。石畳など天然放射線による影響がある場所のほかに、人の手があまり入っていない茂みや、雨樋の下といった場所では、0.1μSv/hを超える数値も見受けられました。

 昨年春の同地域の計測の際は0.03〜0.09μSv/hという結果が出ています。先日の奥多摩の計測の、0.03〜0.1μSv/hという結果と比べても、大きな差異はないように見受けられます。

 皆が宿泊するお寺の本堂内は、おおむね0.04μSv/h程度で、特に問題となる数値は出ませんでした。
「全体的に見て、いまの三多摩地区の平均的な空間線量という印象です。山道の茂みや雨水の溜まる場所などに不用意に入らないよう留意しつつ、子どもたちに、自然の中でリラックスしてもらえるのではないでしょうか」

 と、当会代表の石丸が感想を述べます。

 境内にある木の根元近くの土壌を測定しました。地表5㎝の深さで約1kg採集した土壌の数値は、141Bq/kg前後。こちらも三多摩地区の現在で一般的な「低いレベルの環境汚染」と言えるでしょう。


地表から約10㎝の高さで、平均0.06μSv/h前後という印象です


境内の土壌も測定、141±21.6 Bq/kgという結果がでました


「子どもたちと一緒に楽しみたい」

 「青梅ブンブンの会」は東日本大震災の後に、鎌仲ひとみ監督の映画作品の上映会を行なおうと有志が集まってできました。上映会の後も、エネルギーシフトなどに関する活動を続けて行く中で、「キッズウィークエンド」を定期的に開催しています。

 「もともと、アースデイ東京のイベントとして立ち上がった企画でした。青梅でやれないだろうか、と思って会の皆に相談したら、たちまち『ぼくはこんなことができる』『こんなアイデアはどうだろう』といった具体的な話になった。もともと、震災後、子どもたちへの追加被ばくを少しでも避けようと、意識を持って活動してきたメンバーばかり。福島の子どもたちへの手助けが少しでもできるなら、議論をするまでもなく『やろうよ』となりました」

 と、メンバーの佐藤昌紀さんは、開始した経緯を振り返ります。以降、毎回議論を重ねながら、春と夏の年2回のペースで開催してきました。リピーターの多さが特徴でもあります。

 「子どもたちと楽しもう、という姿勢でぼくたちメンバーは参加しています。真剣になって一緒に遊んでいると、いつの間にか心も通い合ってきます。すると、さまざまな不安を打ち明けて来る子もいます。彼らにとってぼくたちは、親や、地元の友達とも違う、いわば『第三の存在』。そんなぼくたちだからこそ話せるような思いがあるのだったら、それも全力で受け止められたらと考えながら、接しています」

 代表の星匠さんは、そう語ります。

   ◆  ◆  ◆

 計測を終えた後、石丸が、今まで計測を重ねてきた上での、三多摩地域をはじめとする各地の現状を報告する会を開催していただきました。その際の「多摩地区の川魚は食べてもいいのでしょうか」というご質問への参考になればと、市内を流れる多摩川の水を使っている養魚場のマスを、計測しました。結果は、セシウム137、セシウム134ともに1Bq/kg未満程度の「不検出」でした。

 今回のキッズウィークエンドも、子どもも大人も楽しめる週末となりそうです。


昨年のキッズウィークエンドの様子


梅の花が咲いていました


備考:この計測とレポートは、真如苑からこどもみらい測定所が助成を受けて行っている多摩地域を測定するプロジェクトの一貫として行っております。

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2015年03月31日 10:21:41