福島測定・ツアー報告

5月4日の早朝から,5日の夜まで二日間、福島に行っていました。

南相馬の試験田に行って、田植えの前に土壌採取し、
測定して、秋の収穫にもまた測定する、という話しでした。

八王子のハカルワカル測定所のメンバーである友人とその友人、
そしてADRAジャパンという国際支援NGOの方と共に、二日間の強行軍です。

田植えは5日だったので、4日は、私(石丸)が昔通っていた相馬にあるポニー牧場や、
津波の跡地や、つい最近まで立ち入れなかった元警戒区域や、
「希望の牧場」という線量が2〜3μSv/hもある牧場などに立ち寄り、
空間線量計がこれ以上ないというほど役に立つ一日でした。

私が大学生時代、ハーモニィセンターという子どものキャンプ団体でボランティアをしていた頃、
相馬のポニー牧場に足繁く通って、子どもたちと野外体験をしていました。
その牧場も、原発事故による放射能汚染で馬たちを他の牧場に移送し、
子どものキャンプは行えなくなった、ということで、とても辛い思いがありました。
一度行ってみたい、と思いつつなかなか行けず、
今回かなり田んぼが近いことが分かって訪ねてきました。
馬たちはもうおらず、馬が走る馬場は草が生え、人気のない牧場はとても寂しい光景で、
涙が出ました。原発事故、というのは本当に酷いものです。

一方で、国から殺処分を言い渡された牛たちを殺さず生かす、ということで、
必死に浪江の高線量の土地でいのちを守り続けた「希望の牧場」の吉沢さんという方にも
会いに行きました。線量計がカリカリ鳴り続ける中で、眼下に広がるのどかな光景は、
何とも言えぬコントラストでした。

一方、警戒区域であったが、最近は入れるようになった浪江の海岸の方は、測定してみると0.1μSv/h台前半で相対的に非常に低い線量であり、線量の高低差に驚きを禁じ得ませんでした。
海岸はエアードームのようになってあまりプルームの降下が無かったようです。
原発事故直後の気候条件で本当に線量は全くと言っていいほど変わってしまいますね。
その周辺は、家々が立っていたはずの土地がまっさらな平地になっていて、
津波被害の凄さを改めて体感しました。合掌しながら歩き続ける巡礼のような時間でした。

肝心の試験田の田植えですが、仮設住宅の横の田んぼには、仮設から多くの方がおみえでした。
仮設では原発事故による影響で家に帰れない方、津波で帰れない方、いろいろな状況があり、
やはり原発の影響があるので、他県よりも遅れているということは顕著でした。
長い仮設での逗留は堪える、ということで、六角支援隊という現地のボランティアグループが、
「朝起きる楽しみを」と、年配の方々に作物を作る喜びを提供し始めている、
その取り組みの一環として田植えが行われました。(作付け禁止の地域ですので、
試験田で、出荷はできない田んぼです。)
田んぼの土壌は大体500〜600Bq/kg程であり(含水率高で不確かな数字です)、
ゼオライトやカリウムを混ぜ込んで低減対策が取られていました。この秋に収穫され、
お米の測定もいたします。秋の報告をお待ちください。

田んぼ横の土手の土壌は2000Bq/kg超えで、
そこに生えるスギナやヨモギは8〜9Bq/kgほどの検出でした。
2000Bq/kg超えにしては低いのかな、という印象です。
粘土質が豊富で、カリウム分が多い土地なのかもしれません。

今年は、何かにつけて福島に行き、現地の線量を測定したり、現地の方々と交流する中で、
私個人としても、こどもみらい測定所としても、福島支援を行ってゆければと思っております。
その際には、折々にご報告いたします。

今回のツアーは、渡辺一枝(いちえ)さんという方が、現地の「六角支援隊」さんとつながっていることからご縁が広がり、また現地出身の佐藤さんという方にも各所をご案内頂きました。
感謝致します。

(石丸)


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